サーフィンは本当に難しいスポーツです。
これまで野球やサッカー、陸上、アメフトなど、いろんなスポーツを経験してきましたが、はっきり言って群を抜いて一番難しいスポーツだと思います。
サーフィンという難しく、時間がかかるスポーツを続けることができる人間は、何をやってもうまくいくはずだ。
ジェリー・ロペス
偉大なレジェンドサーファーですらそう考えるほど、サーフィンの上達には多大な時間と努力が必要です。どんなにセンスがある人でも、1ヶ月やそこらで上手くサーフィンできるようになることはありません。
特に厄介なのは、ボードの上に立ってコンスタントに波の斜面を滑れるようになるまでの"最初の壁"がやたらと高いこと。スノーボードやスキーの場合は「滑る」ことからチャレンジできますが、サーフィンの場合は「パドルで沖にでる」「沖で波待ちする」「乗れる波を見極める」「波を捕らえる」「ボードの上に立つ」ことができて初めて「波の斜面を滑る」ことに挑戦できるのです。
大抵の人はボードに立つことができようになる前に挫折し、サーフィンの本当の楽しさを知る前にやめていってしまいます。
しかし、壁を超えた先に待っている「波の斜面を走り抜ける快感と高揚感」は形容しがたいほどに素晴らしく、一度経験してしまうと誰もがサーフィンの虜になってしまうほどです。
今回は1人でも多くの人にサーフィンを楽しんでもらうため、サーフィン上達のために知っておきたいことをまとめてみました。21年のサーフィン経験からこれだけは押さえておきたい!ということをピックアップしましたので、最近サーフィン伸び悩んでいるという方はぜひ最後まで読んでみて下さい^^
ちなみにテイクオフのコツといったようなテクニック的なことは一切書いてませんので、その点はあしからずw[no_toc]
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最初は浮力のあるサーフボードを選ぶ
最初のサーフボードのチョイスはとっても大事です。
上手いサーファーが乗っている板って、ロッカーが強くてペラペラだったりしますが、そんなボードを最初から選んでしまうと永遠に上手くなれません。初心者ドライバーがいきなりF1マシンに乗るようなものですね。
最初は、長め、厚め、幅広めにシェイプされた、浮力のあるサーフボードをチョイスするのがいいでしょう。さらにノーズロッカーはマイルドで、テール幅が広めにシェイプされているボードをおすすめします。テール幅が絞られている(細くなっている)板はテイクオフ時のボードの滑り出しが遅いので、パドル力の弱い初心者には向きません。トロいビーチブレイクの多い日本でサーフィンする場合は、幅広テールのサーフボードでたくさん波を捕らえられるようにするのが上達の第一歩です。
ここ注意しておきたいのは、最初に浮力のありすぎるサーフボードを選んでしまうと、後々ハイパフォーマンスな板へ移行するのが難しくなるという点です。
教科書的には、ファンボードのような板から初めて徐々に短くしていくという方法もありますが、経験上このやり方でショートボードが上手くなった人を見たことがありません。ロングボードやファンボードを楽しめればいいという人はOKですが、将来ショートボードでバリバリやりたい!という人は、あくまで「長め」「厚め」「幅広め」のサーフボードから始めるようにするのがポイントです。
感覚的には、体重が60kgくらいの人であれば頑張って6'3~6'4くらいの板から始めるのがいいと思います。最初はテイクオフが大変に感じるかもしれませんが、これくらいの長さで幅や厚みもそこそこあれば、初心者でもボードに立てるようになってくるはずです。
パドル筋を鍛える
サーフィンをするうえで最も基礎的であり、最も大切なのがパドリングです。パドリングができないと波に乗ることはおろか、沖に出ることすら出来ません。サッカーに例えるならパドリングはオフザボールでのランニングです。いいプレーに関与するためには、ボールを持っていない時にピッチを効果的に走り回らなければいけませんよね?
ビーチブレイクでは波が割れるポイントが一定ではないので、状況を見ながら移動して常に良いポジショニングを意識しなければなりません。また、いい波が入ってきたら周りのサーファーよりいち早くブレイクポジションに到達し、誰よりも早く波を捕らえる必要があります。大きい波に乗るにも強いパドル力が要求されます。
パドル力を鍛えるのは、サッカー選手が走り込みをするのと同じくらい基礎的で大切なことなんです。
ではパドル力を鍛えるにはどうすればいいのか?
- 毎日サーフィンしてパドル力をアップさせる
- 海に入れない日はフィットネスクラブなどのプールで泳ぐ
- 自宅でパドルチューブを使って鍛える
手っ取り早いのは1ですが、そんな恵まれた環境にいる人はごくわずか。ぼくは平日時間が取れる日に2の「プールで泳ぐ」をやっていた頃もありましたが、仕事が忙しくなってきてからは専ら3のパドルチューブを使ったトレーニングをしています。毎晩2~3分もあればできるうえ、きっちりと継続さえしていれば飛躍的にパドル力をUPさせることができるのでおすすめです。
本気でサーフィンが上手くなりたい人は是非試してみて下さい。
とにかくスピードを意識する
ある程度コンスタントに波に乗れるようになると、基礎が固まる前にたくさんの誘惑がやってきます。これは例外なく全てのサーファーに訪れます。
カッコいいサーフィンをしたい!
派手なリッピングを決めたい!
上手いサーファーだと思われたい!
そしてスピードを伴わない小手先のテクニックに走り、せっかくいい波を捕らえても失速してしまったり途中でワイプアウトしてしまう、いわゆるテケテケ病に陥ってしまいます。この病気は誰かに指摘してもらうか、ビデオで自分のライディングをチェックしない限り気付くことがないので意外と長引いてしまいます。恥ずかしいことに、ぼくもテケテケ病にかかっていた時期がありましたw
サーフィンで全ての技の源泉になるのはライディングスピードです。逆に言うと十分なスピードでサーフィンできるようにさえなれば、ボトムターンが深くなり、深いところから繰り出すトップアクションには自然と派手さが出てくるようになります。
海の中で実際にプロサーファーのライディングを見れば分かると思いますが、トッププロと言われる人たちって飛んでもないスピードでサーフィンしています。ある程度波に乗れるようになっても小手先のテクニックに走らず、まずはアップスを使いながらとことんスピードを意識してサーフィンするようにしましょう。そして基礎的なライディングスピードがついてきたら、徐々にターンを深くしていくのが上達への近道です。スピードに乗った深いボトムターンができるようになる頃には、鋭いトップアクションも自然に繰り出せるようになっているはずです。
とにかく、小手先のテクニックに走り途中で失速するようなライディングをしてはいけません!
毎週、海に通う
冒頭でも言いましたが、サーフィンは他のスポーツと比較にならないほど難しいスポーツです。夏だけ練習して、いわゆる「サーフィン歴」だけを積み上げても上手くなることはありません。理想を言うと週3日以上、春夏秋冬通して毎週サーフィンするのが望ましいですが、最低でも週1で毎週、年間通してサーフィンするのが最低条件です。(もちろん台風が上陸している時など、危険な状況でのサーフィンは控えるとして。。)
1年間を365日÷7日=52週とすると、海に毎週通ってサーフィンできるのは52回。波のいい日が仮に4回に1回あると仮定しても、いい波で練習できるのはせいぜい年間13回という計算になります。
この波のいい日に、いいライディングをするためには、波の良くない日にも地道にコツコツと練習をしておくことが重要です。波のいい日だけ海に行っても、なまった体では満足のいくライディングはできません。
寒い冬のシーズンにサーフィンはちょっと・・・、という方も多いかもしれませんが、最近のウェットスーツや防寒装備の性能はかなり優れているので、間違った防寒対策さえしなければ冬でも快適にサーフィンできる時代になりました。よければ過去記事を参考に、しっかりと防寒対策をして冬のサーフィンを楽しむようにしてください。
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冬のサーフィンも超快適!冬こそ海に通うべき5つの理由とおすすめ防寒対策
冬サーフィンの魅力と防寒対策について
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冬用サーフィンウェットスーツの『絶対失敗しない』選び方
ウェットスーツ選びで絶対に押さえておくべきこと
海外にサーフトリップする
サーフィン上達のために絶対におすすめしたいのが、海外サーフトリップです。理由は2つ。
- いい波に出会える確率が絶対的に高い
- モチベーションがUPする
いい波に出会える確率が絶対的に高い
海外ではいい波に出会える確率が高いというのがまず第一の理由。
手っ取り早く上手くなるには、いい波にガンガン乗るのが一番です。
でも残念ながら日本ではそうそういい波に出会えません。特に週末サーファーにとっては、確率的にかなり低いと言わざるを得ませんよね。ではどうすればいいか?
いざ海外へ!
その中でも特におすすめしたいのがバリ島です。波の良さは世界有数、日本から比較的近く時差もほとんどないとなればサーフトリップしない理由はみあたりません。ぼくはこれまで20回近く通っていますが、これまでバリでは一度も波をハズしたことがないという安定感。記憶の限りでは、一番悪い時でもムネくらいのサイズはあったはずです。もちろんクリーンなリーフブレイクですよ^^
日本である程度乗れるようになった人には、とにかくリーフブレイクでのサーフィンをオススメしたいです。初めてリーフでサーフィンする場合、ビーチブレイクとは違う独特の掘れ方に最初は戸惑うと思いますが、コツをつかんでテイクオフできるようになれば、波のパワーを活かしたスピード感のあるライディングを体感できるはずです。そして、その経験は間違いなくサーフィンレベルの向上へとつながっていきます。
まだそれほど腕に自信がないという人でも、波が大きすぎない日に、ミドルタイド~ハイタイドの時間帯を狙ってサーフィンすれば、リーフブレイクを楽しめます。現地のサーフガイドについてもらうなどして、安全にサーフィンすることを心がけて下さい。
※リーフで波乗りする時は、足の裏を怪我しないよう必ずリーフブーツを履くようにしましょう。海外サーフトリップの持ち物をまとめた記事がありますので、よければ参考にして下さい。
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海外サーフトリップ これは持っていきたい!持ち物21点+1アイテム
海外サーフトリップのマストアイテムをご紹介
モチベーションがUPする
何事もそうですが、人間、同じ環境で同じことを繰り返していると、どんどんマンネリ状態に陥ってしまいます。日本で波乗りをしていても、海外のサーフビデオに出てくるような理想のパーフェクトウェーブには滅多にお目にかかれません。サーフィンを始めて2~3年もすると、この理想と現実のギャップに嘆きながらも何となく海に通っているという時期がやってきます。誰しも経験するモチベーションの上がらない停滞期です。
海外サーフトリップはそんな停滞期を打破する強烈なカンフル剤となってくれます。計画を立てている段階から気分が盛り上がり、海外のサーフィン動画をチェックしてみたり、トリップに備えて普段のサーフィンにも身が入り始めたりと、環境の変化を予期して行動も変わってきます。
そして海外トリップ本番では、サーフビデオで見たような理想のパーフェクトマシンウェーブに現実に出会うことができるのです。波をメイクできればサイコー、そうでなくても次こそは!とサーフィンに対する強いモチベーションが生まれてきます。
上手くなるためには、高いモチベーションを保ち続けることが大切です。ダラダラ何となく海に入っていても上手くはなれません。普段のサーフィンにマンネリを感じ始めたらサーフトリップを計画して、意識的にモチベーションアップを図るようにしましょう!
サーフィン動画でイメージトレーニングする
動画を見てイメージトレーニングするのも有効な練習法です。好きなサーファーのライディング動画を見まくって、そのサーファーをとことんイメージするのもアリ、とにかくいろんなサーファーの動画を見てイマジネーションを膨らませるのもいいでしょう。
どれだけ良いイメージをもってサーフィンするかによって、ライディングは大きく変わります。いいイメージを頭の中にたくさんストックできるよう、スキマ時間を使って動画を見まくるようにしましょう。
動画については、質の良いコンテンツが頻繁にUPされるWorld Surf LeagueとSURFERのfacebookページがオススメです。いいね!をして自分のフィードに表示されるよう設定しましょう。
仲間をつくる
一人でサーフィンするのもいいですが、「あいつには負けたくない」とか「あの人のように上手くなりたい」と思える仲間と一緒にサーフィンする方が上達は早いです。強い動機があるほど、人は積極的に物事に取り組めるからです。
初心者であればサーフィンスクールに参加して同レベルの参加者と仲間になるのもいいですし、友達を誘ってサーフィンを始めるなんてスタイルもありだと思います。注意すべきは点は、一緒にいて気疲れする人や、気の合わない人と無理をしてまで仲間になる必要はないということ。
仲間になれるような人が見当たらない場合は、とりあえず1人でサーフィンを続けましょう。心配はいりません。サーフィンを続けていれば、日常ふとしたことから仲間ができる瞬間が必ずやってきます。綺麗事を言っているわけではなく、ぼくの経験則から自信を持って言えることです。サーフィンや海を軸として広がる仲間の輪は、サーフィンの枠を超えて人生そのものを豊かにしてくれます。そうやって出来た仲間を大切にして楽しいサーフィンライフを満喫しましょう。
仲間ができれば交通費も浮きますよ~♬
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【初心者必見】サーフィンの魅力から予算、日焼け対策まで全て教えます!
サーフィンを始めるならまずチェック!
動画撮影して自分のライディングを客観的にチェックする
他のスポーツ同様、客観的な視点から自分のライディングをチェックし、課題を改善していくことはサーフィンの上達にとって、とても有効な手段です。
自分では完ぺきな角度でリッピングが決まった!と思っていても、後から動画でチェックすると角度の甘~い、ヘッピリ腰のヘナチョコトップターンだったりします。これはぼくが初めて自分のライディングを動画でチェックした時の話です。その時は本当にショックでした。
自分ではイケてると思っていても、現実はひどいライディングだったりします。その現実には動画撮影して自分の目でチェックしない限り気付くことはありません。現実を直視して、課題を発見し、それを改善することで次のステップへ進むことができるのです。仲間や心の広い彼女(?)にお願いして自分のライディング動画を撮影してもらいましょう。自分のサーフィンを徹底的に研究することで、飛躍的にライディングの改善が図れるはずです。
サーフィン前夜は深酒しない
サーフィン前夜の深酒は避けましょう。二日酔いの状態では体が思うように動きません。せっかく波が良くても体が思うように動かず、悔しい思いをすることになってしまいます。特に週末サーファーにとって波のいい日は貴重です。飲酒する場合は、サーフィンに影響がない程度に楽しむようにしましょう。
まとめ
サーフィンは難しいスポーツですが、人生を変えるほどの可能性をもったスポーツだと思います。1人でも多くのひとにサーフィンの素晴らしさを知ってもらって、楽しんでもらいたいと心から願っています。
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